古墳時代の道具を簡単に解説!特徴は?狩りや祭祀の際は何を使っていた?
古墳時代とは、一般的に3世紀半ば過ぎから7世紀末頃までの約400年間を指します。
弥生時代に続く時期区分であり、前方後円墳に代表される古墳が盛んに作られていました。
また、倭国が次第に統一されていった時代としても知られています。
そんな古墳時代には、どのような道具が使用されていたのでしょうか?
この記事では、古墳時代の道具について簡単に解説していきます。
目次
古墳時代の道具の特徴
古墳時代の特徴として挙げられるのは、それまでと比べて石の道具の使用率が下がったということです。
これは、大陸からやってきた鉄器の普及が影響しています。
農耕具や武器などの実用的な道具には、鉄器が多く使われました。
また、この時代から、権威の象徴として使用される道具が作られるようになります。
それらは、きらびやかに見せるために、金銅や銀で飾られました。
このように、古墳時代の道具は、大陸からの影響を受け、実用性が向上したり、権威を示すために使用されたのです。
古墳時代の道具一覧|狩り・漁編
古墳時代では、弥生時代から引き続き狩りや漁が行われていました。
その際に使用されていた道具について、ここでは簡単に解説していきます。
古墳時代の武器
縄文時代から行ってきた狩猟・採集は、古墳時代に入ると稲作が安定化し、あまり行われなくなっていきました。
しかし、食材の少ない冬には狩りをして食料を補ったり、田畑を荒らす獣を捕えたりといったように、全く狩猟を行わなかったということはありませんでした。
また、稲作の発展に伴い、ムラ同士での土地や水を巡る争いも起きていたと考えられています。
そのため、狩猟用ではない武器も誕生しました。
【古墳時代に使用された武器】
- 大刀(鉄刀):片刃の鉄製武器。後期以降、「装飾付大刀」が隆盛する
- 鉄鏃:主に狩猟用ではない武器として使用された。古墳時代における軍事的な力を象徴するもの
- 弓:主に丸木弓が使用されていた
- 石鏃:弓矢の矢の先に装着した。狩猟用。
- 石槍:狩猟用。近距離で獲物を突いた
- ナイフ形石器:肉や皮を切るために使用された石製のナイフ
- 石斧:木を伐採したり、獲物の骨を加工したりした
- 石匙:獲物の皮を剥いだり、肉を切り分けたりするために使われた石製のナイフのようなもの
古墳時代の漁具
古墳時代では、網漁が盛んになっていきました。
網漁は、船に乗って遠くまで行く漁とは違い、農村で暮らす人々が行っていたと考えられています。
冬の食料がなかなか取れない時期には、この網漁がかなり重要でした。
【古墳時代に使用された漁具】
- 釣り針:鹿角や土で作られた。魚種や漁法に合わせて様々な形のものがあった
- 銛:魚を突いて捕獲するための道具
- 土錘:網に取り付けて沈めるための錘(おもり)
- タコ壺:主にイイダコ漁に用いられた素焼きの土器。北部九州を中心に広まった
- アワビオコシ:アワビを岩礁から剥がすための道具。鹿角で作られた
古墳時代の道具一覧|日常生活編
古墳時代では、大陸からの新しい道具や技術が伝わったことにより、日常生活で使用される道具にも変化が起きます。
ここでは、日常生活において使用されていた道具について、簡単に解説していきます。
古墳時代の農具
5世紀に入ると、大陸から鉄製の農具が伝わってきます。
すると、鉄製農具のおかげで、農作業もより効率化されたり、新たな土地を開墾できたりするようになりました。
【古墳時代に使用された農具】
- 鍬:土を掘り起こすための農具。鉄製の刃先が取り付けられた。U字形の刃先を持つものが普及した
- 鋤:土を耕すための道具。鉄製の刃先が取り付けられた。
- 鎌:作物を刈り取るための道具。鉄製のものが普及した。現在の鎌の原型となる形が登場した
- 馬鍬:水田の代掻きに使用された。主に馬や牛に引かせて、田植え前に田んぼの土を細かく砕き、平らにならした。
古墳時代の土器
古墳時代中期には、須恵器という土器とその作り方が大陸から伝わってきました。
須恵器は、登り窯で高い温度で焼くので、水が漏れないくらい堅いという特徴を持っています。
そのため、水甕といった貯蔵用であったり、食べ物を盛り付けるのに適していました。
しかし、堅すぎるが故に、火にかけることができなかったため、そこで登場したのが土師器です。
土師器は、野外で焼いて作るため、赤っぽくて柔らかいという特徴を持っています。
そのため、鍋などの調理用として使用する場合には、この土師器が採用されました。
それぞれの土器の特徴を活かしながら、両方をうまく使っていたというわけですね。
【古墳時代に使用されていた土器】
- 杯身(つきみ)・杯蓋(つきぶた):食器や祭祀用の道具として使用された
- 高坏:素焼きの土師器。食べ物などを盛り付けた
- 甕:煮炊きに使ったり、大型のものは水甕に使用されたりした
- 坩(かん):壺の一種で、特に小型の壺を指すことが多い
- 台付短頸壺:首の短い壺形に脚のついた須恵器。飲み物などを入れた
- 単脚高坏:短い脚のついた須恵器の高坏。食べ物の盛り付けや祭祀用に使用された
古墳時代の道具一覧|祭祀編
古墳時代には、祭祀や儀礼で使用される道具も存在します。
これらの道具は、死者の弔いや豊作祈願、権威の象徴などと、様々な目的のために使用されてました。
【古墳時代に使用されていた祭祀具】
- 石製模造品:石材で、短剣や勾玉、鏡などをミニチュアサイズに模した祭祀道具。儀式の際には、榊などの木の枝にかけて使用されたと推測されている
- 子持勾玉:滑石で作られた祭祀道具。勾玉の腹や背や側面に小さな勾玉を貼り付けたような形をしていることから子持勾玉と呼ばれている
- 埴輪:人物、動物、器物などを象った素焼きの焼き物。古墳の装飾や祭祀に使用された
- 玉杖:美しい石で作られた儀式用の杖。呪術的な力が込められた装身具である勾玉が掘り出されている
- 土錘
- 紡錘車
古墳時代の道具一覧|権威の象徴編
古墳時代では、身分差が出てきたことにより、権力者がその権威を示すための道具(威信具)も出現し始めました。
これらは、単なる実用品ではなく、所有者の権力や財力を象徴するものでした。
【古墳時代に使用された威信具】
- 装身具:勾玉、管玉、碧玉性石釧、車輪石など、美しい装飾が施された玉類や石製品は、身につけることで個人のステータスを高めた
- 武器・武具:鉄剣、鉄鏃、鉄製冑、鉄製短甲など、実用的な武器や武具も威信具として用いられた
- 馬具:馬具は、馬を操る技術や所有する馬の質によって、権力者のステータスを表した
- 祭祀具:鏡、銅鐸、銅剣、銅矛など、祭祀具も権力者の宗教的な権威を示す威信具となった
- 埴輪:特に形象埴輪は、王の祭祀の様子や人物像を表現していた。古墳の装飾としてだけでなく、威信具の役割も担っていた
古墳時代に関するQ&A
古墳時代に関するQ&Aを簡単に解説していきます。
- 古墳時代と弥生時代の違いは?
- 古墳時代の有名な遺跡は?
- 古墳時代はなぜ終わった?
古墳時代と弥生時代の違いは?
古墳時代と弥生時代には、生活スタイルの変化はもちろんのこと、政治や社会の制度においても大きな違いが現れ始めました。
| 弥生時代 | 古墳時代 | |
| 墓制 | 墳丘墓や横穴墓が主流 | 円墳や方墳、前方後円墳など、様々な形状の古墳が作られるようになった |
| 政治的構造 | 小国が各地に存在し、村単位の自給自足的な社会 | 大王や有力な豪族などが中央集権的な体制を築き、各地に古墳を造らせ、権威を誇示した |
| 社会階層 | 社会階層の差はあまりなかった | 大王や有力者を中心に、武士や豪族などの階層が形成され、社会的な格差が明確になった |
| 副葬品 | 簡単な生活用品など | 刀や馬具、甲冑などの軍事的なものが多くなり、身分の高い人ほど豪華な副葬品を納めるようになった |
| 生活 | 稲作を中心とした農業が発展し、村落単位での生活が一般的だった | 豪族たちが農村を支配し、大規模な水田が作られた |
| 交流 | 中国や朝鮮半島との交流が盛んになり、銅鏡や刀などの文化財が伝来した | 更に大陸との交流が盛んになり、渡来人も多くやってきた結果、仏教や漢字、養蚕など新しい文化や技術が伝来した |
古墳時代の有名な遺跡は?
- 百舌鳥・古市古墳群(大阪府)
→仁徳天皇陵(大仙古墳):日本最大の前方後円墳で、全長約486m
- 箸墓古墳(奈良県)
- 西都原古墳群(宮崎県)
- 埼玉古墳群(埼玉県)
- 保渡田古墳群(群馬県)
- 八女古墳群(福岡県)
→岩戸山古墳:磐井の乱を起こした筑紫野国造磐井が埋葬されている
- 吉見百穴(埼玉県)
- 石舞台古墳(奈良県)
- 高松塚古墳(奈良県)
- キトラ古墳(奈良県)
- 五色塚古墳(兵庫県)
- 森将軍塚古墳(長野県)
- 今城塚古墳(大阪府)
- 虎塚古墳(茨城県)
- 造山古墳(岡山県)
- 作山古墳(岡山県)
古墳時代はなぜ終わった?
古墳時代が終わった理由としては、主に3つのことが挙げられます。
・仏教の伝来と火葬の普及
仏教が伝来すると、それまでの土葬の慣習に代わって火葬が広まっていきました。
つまり、古墳を作る必要性が薄くなっていったということです。
・薄葬令
大化の改新で薄葬令が定められ、身分に応じて墓の規模が制限されるようになりました。
これにより、豪族たちが大規模な古墳を築くことは抑止されてしまい、古墳造営の伝統を弱めていくこととなったのです。
・ヤマト政権の強化
ヤマト政権は権力を強めていき、中央集権体制を確立させました。
すると、地方の豪族の権力を抑え、古墳造営を統制するようになりました。
この結果、大規模な古墳の造営は次第に減少していき、最終的には廃止されたのです。
以上のような複数の要素が絡み合い、古墳時代は終焉を迎えました。
まとめ:古墳時代の道具は、大陸からの影響もあり実用性が向上した
古墳時代の道具は、大陸からやってきた鉄製農具や新しい技術などのおかげで、実用性が格段に上がりました。また、身分差が生まれたことによって、権威の象徴としての道具も誕生しました。
今回の内容をまとめると、
- 古墳時代の道具は、大陸の影響を受けて実用性が向上した
- 古墳時代には、身分差が生まれたことにより、権威の象徴としての道具も誕生した
- 古墳時代に使われていた一部の道具は、現代の道具の原型にもなっている
鍬や鎌などは、古墳時代の道具が現代の原型になっています。約1700年も前の道具が、今もほぼ形を変えずに使われているということは、すごいことですよね。


